パチンコメーカー西陣廃業に思うこと

omou-eye
我思う

3月4日付け 第138回

「我思う」コラム記事が続きますが、緊急差し込みということで、ご容赦あれ。
ご存知の方がほとんどでしょうが、去る3月1日、老舗パチンコメーカー「西陣」が廃業しました。
https://www.nishijin.co.jp/upload/release/20230301.pdf
事業(営業)を打ち切り、資産があるうちに会社を解散し、今ある資産を株主で山分けします、というのが廃業です。
倒産ではありません。

なので、廃業理由が「市場環境の悪化」なのでしょう。
早い話しが、「遊戯人口が右肩下がりの斜陽産業パチンコ業界で、このまま営業を続けても儲からないどころか、(やや?)赤字なので、早いところ撤収しよう。」ということです。

ざわっ、、、
イカサマ台を納入した結果、社長が暗殺され、業績が悪化し、資金がショートし、民事再生を受けた某社とは違います。
   ざわっ、、、

こういった廃業理由や経緯を踏まえてのことなのか、ネット記事を読む限り、惜しむ声が目立ち、「花満開」の文字がところどころに見受けられますね。
切れパンダが不快だったとか、詐称メーカー潰れて当然!のような、かつて耳にした声はほとんど上がっていないようです。(むしろ西陣って何?まだあったの?が大半か?)

仮に今、ダイト、サンキョー、サンセイ、ユニバあたりが潰れたとしたら、エンドユーザーやパチ屋には何と思われるでしょうね?惜しまれるかな?それとも死体蹴りかな?(ゲラ)

さて、若い人は名前すら聞いたことが無いであろう、西陣のヒット機種「花満開」。 僕がパチンコパチスロを始めたころにはすでに、CR機の雄はモンスターハウスと大工の源さんに置き換わっており、僕自身も設置を見たことはありません。
導入時期を調べてみると、1993年ですか、、、今からちょうど30年前。(モンスターハウスは1996年)

このころのパチンコはまだまだグレーで、スロットでは裏物(当然、違法。中にはメーカーぐるみの台も多かった)が当たり前に設置してありました。嘘みたいな話しですが、どこの店(ドームやオメガやキング)にも裏物の1機種や2機種は設置してあったものです。また、今でいうマネーロンダリングや脱税が横行し、サクラ、(店長の)打ち子が入り乱れ、ヤクザと悪徳K官が深くかかわっていたころです。
実に前時代的と言いますか、今では考えられないような違法空間、それが30年前のパチンコ産業だったのです。
それが今では、メーカーの多くは上場し、やれ依存症対策だの、アドバイザー資格を持った従業員がいますだの、「闇スロは違法です」ですからね。いったいどの口が言っているんでしょうか。
まずは自分たちの悪行を詫びるのが先ではなかろうかい?そんなんだから、パチンコ業界はいつまで経っても、信用されないんでしょう。 迷惑施設である以前にこういった態度や料簡がアンチを生んでいるんだと思います。

そんな魑魅魍魎蠢く、カオスな時代に出たヒット機を超える台を30年経っても出せていなかった、、、

これが西陣廃業の一番の理由だと私は思います。
もしくは、同じころに登場した機種にギンギラパラダイス=後の海物語がありますが、仮に花満開が海のように定番化できていれば、、、廃業は無かったことでしょうね。
新たなヒット機種の開発力、花満開を発展させるリメイク力が、西陣には無かった。

車に、スキーに、クラブにと、あんなにアクティブだったウザガキ共が引きこもってラノベにハマるようになるまでの30年間、開発陣は何をやっていたんだろうか?
あのニューギンが「慶次」をヒットさせ、いやその前に、あの京楽が「仕事人」で世界を変え、あのダイイチが「バカボン」で機会を掴み、あのサンセイが牙狼で一度は天下を手中にし、あのあのあの藤商事が「とある禁書目録」で風穴をあけた、30年。
そして、カリブでこけて沖縄で復活したサンヨー。エヴァにガンダムにアクエリオンと、ロボット台でトップに君臨するサンキョウ。ピンフですら、ルパンと猪木と戦国で命脈を保った30年。

お前は一体何をしていたんだっ!!!

お前だよっ!!!豊丸!!(!?)
ナナシーっていつの台だよ!!(1996年)
それから、1機種たりともナナシーを超える台を作れてないってどんだけだよっ!!
餃子の王将?高須クリニック?天下一閃??ってそれ全部、羽もの(亜種)ですから~!!残念っ!!

市場環境???

あのピンフ社、カス商事ですら、(決算資料が確認できる)上場メーカーの今年度決算は揃いも揃って、増収増益。来年はさらなる増益が見込めるとのこと。
確かに構造的には斜陽かもしれませんが、競合他社が増益、株価沸騰で足並みが揃う中の撤退とは、、、そりゃちと違うんじゃないの?
2005年には自社工場(ソフィア)も完成し、老舗ゆえそれなりの特許も持っているだろうに、、、なぜ?

お前に言ってんだよっ!!豊丸!!(!?)

次は絶対、お前んところだぞ!!
今がんばらないで、いつ本気出すんだよっ!!

と思ったら、ホームページを見ると「採用」が中途も新規も停止してる、、、
コロナが明け、人材確保に各企業必死になっている中、新卒すら募集なしの衝撃。

もう、手遅れかもしれんね。
もしかすると、西陣同様、廃業を検討しているのかもしれません。

4月にプロゴルファー猿が納入されますが、おそらく、これにメーカーの存亡を賭けているのではないかと思います。
というのも、この台はコンテンツやスペックからもわかるように本命台ですが、特殊なレンタルプランを伴って販売されてます。

何を隠そう、この豊丸が独自に掲げたレンタルプランは、「高稼働が続けば、メーカー(豊丸)も儲かるが、稼働が2か月持たなければ、連座して死亡する」という、まさに社運を賭けた販売方法なのです。
レンタルプランの詳細はhttps://g-net-ps.com/info/p0293/をご覧ください。

スペックや演出ではなく、販売方法に生き残りの糸口を見つける、、、、かといって単純な値引きでは無い。いいじゃないかっ!!
大手メーカーの阿漕とも言える台の「売り方」に批判が集まる中、その声に寄り添い、「三方良し」を目指した豊丸産業。一発逆転なるか、、、

「三方良し」「足るを知る」を座右の銘とするエスパーハウスは小さな挑戦者豊丸産業を陰ながら応援していますっ!!
ちなみに、僕の新卒就活時に、エントリーシートを送って、(グループ)面接までいったのは、豊丸と藤商事の2社だけでした。
あの時、エスパーハウスを採用していればな、、、とならないように、最後までがんばってください。

いつの間にか豊丸の話しになってしまいましたが、西陣はもう死んだんです。
いなくなったものを悔やんでも、仕方のないことですから。

コメント

  1. とうもろこし より:

    「人生の1割くらいは、遊んでいい。」西陣廃業。残念ですね。
    サミーに移る前のエウレカセブンとか、技術介入要素が大きかった甘デジの春一番が好きでした。
    西陣で働いていた開発者たちが他メーカーで更なる活躍をしてくれることに期待しています。

    豊丸は、、社長のブログが人間味があって好きだったんですけど、そのブログも確か去年の夏頃に終わって、その時にもうギリギリなんだなと思っていました^^;
    プロゴルファー猿、自分はおそらく触りませんが流行ってくれるといいですねぇ

    パチ人口が減ることに比例してホールもどんどん減っている現在。
    今に始まったことではないですが、メーカーの廃業、倒産、吸収などは加速していくでしょうね。。

    • esperhouseesperhouse より:

      次は「遊びにマジメ」な連中が廃業したら、これこそ連鎖倒産と呼べるのではないでしょうか?(ゲラ)
      それにしても、人生の1割ということは、1日換算で2時間半くらい。毎日仕事帰りに(パチンコ)打ちに来いというメッセージなんでしょうかね。(ゲラ)

      パチンコMAX規制、禁煙化、5号機CR機完全撤去(+コロナ)、、、からのスマート機の流れは業界を再編するには十分なパワーを持っていることから、むしろ最大手であるマルハンとサンキョウ、フィールズに仕組まれたシナリオだった?とさえ勘ぐってしまいますね。

      スロットではネットとベルコあたりが昇天しそう。