コンパスの功罪

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我思う

1月19日付け 第149回コンパス導入がもたらす結果

よく行くお店(西院ドーム店)がコンパスを導入したので、今更感のある「コンパス」(スマホアプリによる入場抽選)について今日は書きたいと思います。

すでに導入が始まって2年ほど経つコンパスですが、ここ京都では普及しているとはいいがたく、KB店や梅津店など一部の店が導入しているに過ぎません。
比率的にも4店舗に1店舗といった割合でしょうかね?
全国的な数値は全くわかりませんが、これが高いかどうかと言われれば、低いと感じるのが正直なところ。

さて、コンパスは店側の視点で考えると、、、
特に都会の駅前店などは、駐車場はおろか駐輪場も無いような店も多いため、また、従業員への負担や人件費を考えると、直感的にメリットがありそうだと感じます。
そもそもスペース以前に、「パチ屋の並び」は都市景観的に見苦しく、抽選機の導入コストや、アナログであるなら毎回のクジの製作コストはそれなりでしょうからね。
また、軍団や引き子対策にも一定の効果が見込める点でも導入メリットは大きいと思います。

一方で、コンパス導入のデメリットとして考えられるのは、抽選番号が悪かった客が他店の(紙の)抽選に流れてしまい、ミスミス朝の稼働を減らしてしまうことでしょう。
中でも養分層は(現地での紙の抽選の場合)「抽選に並んだ惰性」で番号が悪くても居残る傾向が強いため、この層をそっくり取り逃してしまうのは、死活問題につながるとすら思います。
特に設定の入れ方がわかりやすい店などは、この傾向は顕著に出るはずです。
並びが並びを呼ぶのは日本人の気質ですから、コンパスのようにデジタルであっさりしていると、同調圧力がかからず、結果、集客が伸び悩む。これはいかんよね。

では、我々打ち手としてはどうでしょうか?
メリットから考えると、、、
まずもって、二重抽選が容易になることですね。
京都では1の付く日が市内一斉イベント日なので、その日は、まず9時のアミューズへ並んで、途中、コンパスで東西ドームと梅津の結果を見つつ、北白川オメガやF-1、脱ジェイの9時半の抽選に並ぶという三重抽選が可能です。
実際、アミューズ勢はほぼ全員が二重、三重の抽選を想定していると思われます。
重複して抽選を受けられることで、抽選で弾かれ、その日が無に帰すという機会が減ることはプロにとっても、一般の打ち手に取ってもハッピージャグラー。

そして何より、並ぶという肉体的、時間的な負担が無くなるため、楽できるというメリットも大きいですね。
特に遠方の店だと、抽選のために30分かけて突撃したはいいが、200番以降を掴まされ、また30分かけて帰るという悲劇が無くなりますから。
結果、(行動はしてないけど)行動範囲を広げることができます。
右京区民が左京に遠征することも、その逆も可能に。

一方で、デメリットはというと、、、
単純に個々の店(=一店舗あたり)の抽選が厳しくなることです。
これは意外な盲点だったのですが、実際に西院ドームが今年からコンパスを導入することになって、最初に感じた変化です。
具体的に書くと、コンパス導入前の1の日の並びはせいぜい30人、大抵は20人くらいだったのですが、何と初回と言うこともあってか、11日は100人以上がコンパスの抽選を受けていました。(実際の入店人数は不明)
僕が引けたのは、以前だったらありえない85番!!
どうして?なぜこうなった?
さすがに困惑しますた。
その後、13日、16日とイベントがあったんですが、抽選人数は軒並み倍増。
さすがに中抜けもあって、最終的な入場人数は普段かやや多めといった感じには収まったのですが、一桁番号の客はほぼ勢ぞろい。
15番入場ながら候補台は軒並み抑えられており、大変厳しいコンパスデビューとなりました。

このことから一つ気づいたことがあります。
店のデメリットでもあるのですが、コンパスを導入すると、常連客は死にます。
基本的に常連客は普段の営業日に負ける代わりに、イベント日(特に人がそこまで集まらない弱イベント日)に収支を改善させています。
また、単純な収支的な補填だけでなく、高設定に座れたという精神的な満足感や店に対する信用もイベント日に得ていることでしょう。
逆に言うと、このバランスがあってこそ、常連は金銭的にも精神的にも、その店にコミットし通常営業に付き合えるのです。

ですが、上に書いた通り、コンパスを導入すると、個々の店の抽選が厳しくなります。
特に、設定に期待できるメイン機に座れる可能性はグッと減ります。

そうなると、どうなるか、、、

イベントの度に一見のウザガキがメインや新台に座り、爆出ししているのを横目に、自分は座りたくも無い「リングにかけろ」や「まどかマギカフォルテ」で爆死。
ようやく番号を引けても、候補台は目前で謎のウザガキに取られ、4~5番手候補の北斗に着席も、オハ天からの単発で爆死。当然のようにウザガキはピンポン着席で朝から無想転生バトルで爆出し!挙句キリントロフィーがっ!!

まあ、怒るよね。フェアプレー賞16回受賞の元一流騎手じゃなくても、ウザガキの髪の一本や二本掴んで、頭皮が赤くなるまで揺さぶりたくもなるよね。それとも牙狼ハンマーおじさんになるかな?(ゲラ)

常連客はよっぽどのことが無い限り、他店には行かないので、二重抽選を受けることはほぼありませんから、コンパスで抽選を厳しくしてしまうと、常連客にその割が来るのです。
辛い日々を送り続けた常連客は、その内、知恵を付け、他店でも抽選を受けるような動きに出ることでしょう。新台入れ替えのときとかね。
もしそこでトロフィーを伴って、出玉も出ちゃった日には、、、

そうだね。
移住だね。新たな城に。

果たして、これでいいのかねえ~。
それこそ、白川や梅津、デビューといった台数が多い店はいいかもしれませんが、(スロットル)150台以下の中規模店ではコンパスはデメリットの方が大きいと思いましたよ。
あたしゃ西院ドームのコンパス導入は愚策だと思うね。

そして最後に、、、
コンパスの普及により二重抽選が(今よりさらに)一般的になると、「使える店」を多く知っている上級者層が有利になり、収支の差はさらに顕著になるでしょう。
勝てるやつ(情報強者)がより勝ち、負けてるやつ(情報弱者)はチャンスを奪われる。
全店舗がコンパスを導入し、課金による「先バレ」システムをやめ、二重抽選を排除しない限り、この構造は変わらないでしょう。

コンパスは一見して打ち手にメリットが多そうなシステムですが、その実、格差を広げ、パチスロの持続性を著しく奪うものに他なりません。
スペースが限られる駅前店や300人以上が並ぶ大型店以外は導入すべきでは無いと結論付け、今日のところは筆をおきます。

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