4月4日付け 第165回 ボーナストリガー展望
パチンコに新機能「ラッキートリガー」が搭載され、1年ほどが経ちますが、パチスロにも「ボーナストリガー(BT)」という新機能が搭載されることは皆さんもご存じでしょう。
BTとは、端的に言うと、出玉的にしょぼいノーマル機に意図的な連荘性能を持たせることで、出玉感や射幸性を底上げする機能です。
※遊技の流れや仕組み等、詳しくは、他サイトやパチスロオワコンちゃんねるをご覧ください。ここでは背景と見通しについて書いていきたいと思います。
そもそも、6号機の規則では、(リアル)ボーナスで最大280枚しか獲得できないため、また、安定的に出玉試験(検定)を通すためには250枚程度が事実上の限界であることから、その出玉性能は非常に低いのが特徴です。
コイン単価はせいぜい2.0円。(ノーマル機の代表的存在であるマイジャグラーは1.8円です。)
遊べるといえば聞こえはいいのですが、この程度の荒さともなると、店は利益が取れません。特に等価(再プレー無制限)だと、かなり厳しい。
結果として、高設定は使えなくなり、5号機時代と比べジャグラーの設定は明らかに悪くなりました。皆さんも体感としてあるでしょうし、キングやドーム系列の設定状況を見ていると、あからさまですよね。
この構造的閉塞感を打破するには、射幸性を上げて、荒くする必要があります。それ以外ない。
パチ屋が持続可能な営業を続けるには、ノーマル機であっても2.5円程度のコイン単価(荒さ)は最低限必要です。(5号機ジャグラーは2,3円)
そのためには、コイン持ちを落とし、ボーナス確率を下げ、ボーナス1回当たりの獲得枚数を上げるしかありません。(確定)
でも、肝心のボーナスの枚数を増やすには法改正が必要なのでハードルは高く、6号機である以上、不可能な望みです。
構造的に詰んでるんです。6号機のノーマル機は。
少なくとも、ノーマル機だけで営業することは100%不可能。
そこでメーカーも、RTをつけたり(ディスクやハナビ)、ATをつけたり(1000ちゃんやこのズバ)、ボーナスそのものをATにしてみたり(疑似ノーマル機、ハイパーラッシュやナイツ)と試行錯誤していますが、根本的な解決には至っていません。
そこで登場したのが、BTです。
1発当たりの出玉は増やせないなら、パチンコの確変のように合法的にボーナスの連荘を可能にすることで、1セット当たりの出玉を増やす。
例えば、ビッグ一発では250枚しか取れんが、2連をワンセットにすれば500枚取れます。
ボーナス間をシームレスにして、実質的に1ビッグで取れているように見せれば、1ビッグで500枚取れているように感じることはできると思います。(理論上最大279×2=約560枚)
いわば、ノーマル版貫き。
構造としては、パチンコの「3000発当たり」と全く同じです。
これがBTの基本的な捉え方です。
ここまでがスタートラインね。
そもそものBTの意義や役割を理解するところから始める、連荘生活。(?)
ここからは、メリットや問題点について書いていこうと思います。
まずはメリット。
1,1ビッグ500枚はやっぱデカい
多少通常時が犠牲になったとしても、1ビッグで1万円で取れるのは魅力です。
かつての大花火時代は1ビッグ600枚でしたが、換金率は7枚交換が多く、6枚だとしても1ビッグ1万円。
一方、現代では等価や51枚交換(46枚貸)が主流。となると円換算では大花火とイーブンだと考えると、一発勝負には向きますね。
夕方からや短時間勝負のメインになれる可能性は高く、救世主になれる可能性は十分。
基本的にRT延命や目押しも不要なので、気軽に確実にあの薄汚い婆でも500枚取れる台はやっぱ貴重。
2,設定不問のビッグ連が気持ちいい
BTの調節具合にもよりますが、基本はビッグで100%BT突入で、ビッグを引き続ける限りBTが継続するという台が主流になると思います。
そうなると、出玉を左右するのは、BT中のビッグの引き。
パチンコで言うところの(例)50%ループや66%ループを何回続けられるかが勝負であり、特に短時間勝負では設定は意味をなさなくなり、夕方からの短時間勝負の人にも勝ちの目が出てきます。
少し偏らせるだけで、一撃1000枚は可能。それもアッという間。天国モードとか引き戻しを追う必要もありません。
あの聖闘士星矢は50%を3回通せば平均800枚のラッシュに入りますが、BT機では3回ループ(=ビッグ4回)すれば、その時点でゲット1000枚です。仮に途中で負けても(?)250枚~750枚得られます。熱いね!
3,有利区間やモード、天井に影響されないガチの疑似北斗の拳や疑似リノ、オキドキが作れる
ガチの疑似ってまるで禅問答のようですが、毎ゲーム一発抽選で、ゲーム性は模倣、類似、再現という意味です。
BTを用いて、ボーナスをバケオンリーで構成し、バケが継続率でループする初代北斗の拳のようなという台も作ることが(理論上)可能です。
かつてのカイジや男塾のように、(パット見の)出目からは入賞したボーナスの区別がつかない仕様にすれば、バケ消化中の演出も生きるし、強敵(とも)との攻防にも力が入ることでしょう。
同様に、リノやオキドキ、南国育ち、島唄(死)のような連荘機も再現できます。
ただ、こちらは基本的には「転落式」もしくは「ボーナス入賞時にすべてが決まる」仕様になるため、多少の工夫は必要です。
4,わかりやすい
これは同時にデメリットでもあるのですが、BTには抽選の概念がなく、特定ボーナス成立時は100%で突入するか否かが決まり、逆に特定ボーナス入賞で転落(終了)かどうかが決まります。
また、BT発動後はかけ枚数が1か2枚になるので、かつての有利区間ランプのように、今がBT中かどうかの察知が100%可能です。
なので、捨てることがありません。掘られることも当然ありません。
いい意味でフェア。
一方で、ボーナス終了後にBTに入っているかどうかの演出、ディスクアップで言うならダンスタイム突入やワードオブライツで言うならCTに当選しているかどうかのジャッジ演出を入れることができません。
だって、7を揃えた時点で、決まってるからね。
赤7=BT 青7=はずれ、みたいな感じで。
もちろん、「転落」についてもあからさまなので、リノやオキドキのように、「まだあるのか、それとも落ちてるのか」を楽しむゲーム性は成立しません。
補足ですが、転落契機は、現状、ゲーム数の消化ではなく、ボーナスの入賞のみです。(ボーナスと称した小当たり=シングルの入賞で終了することも可能)
5,デキレや冷遇が無い
「わかりやすい」に近い概念かもしれませんが、BT機はあくまでもノーマル機の延長上にあり、突入、終了契機が明確なので、法的(?)にデキレを搭載することは100%ありません。
同様に、冷遇も100%ありません。天井も100%ありません。ボーナス確率によっては、2000ハマることも現実的です。(RTやATの搭載が法的にできないため)
また、繰り返しになりますが、毎ゲームレバーオン時に一発抽選です。
次に問題点について
1,短期出玉試験が高い壁
所詮は6号機、BT搭載機といえど、厳しい厳しい出玉試験を突破しなければ世に出ることはありません。
そもそも論として、現行の規則下でも280枚までビッグの出玉が得られるのに、250枚前後に自粛(?)している台は多いです。
ジャグラーなんて全部そうだよね。
なぜか?
単純に280枚にすると出玉試験に通らない(通りづらい)からです。
通すためにはコンドルのようにバケに細工をしたり、ボーナス中にビタ押しや逆押しを強いたりして調整しなければならず、ジャグラーの持つ公平感は犠牲にしなければいけません。
だから280枚にこだわらない。安全にゲット240枚で統一。
これが現状。
なので、ワンビッグ500枚の台なんて、理論上試験に通るわけがないんですよ。
結局、短期出玉試験がネックになって、想像したより、かなりしょぼいスペックの台しか作れないと思います。
そのため、当面は150枚くらいのボーナスが、しょぼく連荘する台で溢れることでしょうね。
「500枚の塊」が頻発というイメージとはかけ離れた状況に、ユーザーが落胆するところからスタート。
2,わかりやすすぎる
メリットの部分でも取り上げましたが、現状、BTは滞在がわかりやすすぎて、ゲーム性を向上させるとはいいがたいです。
ボーナス確定っ!!
と、赤7が告知された瞬間、BTが確定。もしくは、青7が告知された瞬間、BT非当選が確定。
これって寒くない?
ガッチャマンじゃないんだから、再抽選やATみたいにボーナス中にレア役とかバー揃いとかで抽選してほしいよね。
でも、できない。
終わるときもそう。
戦国無双(初代)の特リプのように、終了役が入賞した瞬間、100%BT終了。
復活はないし、終了ボーナス消化中の抽選も当然なし。
さらにループ率も基本固定です。
北斗の拳だと、百裂拳がヒットしようが、パンチをよけようが同じ。
せいぜい2枚かけと1枚かけを使い分けることしかできないので、BTのループは単調になりがちです。
それでも、デキレや優遇が無いので、完全に自力抽選。
ガチの80%ループ、それだけで夢あるで!!
3,BTありきな台は勝てる気がしなくなる
今後、どのようなタイプのBT機が主流になるかはわかりませんが、使いようによっては、BTそのものが今でいう上位ATのような位置づけになり、BTを引かないと設定6でも勝てない仕様になる可能性は否定できません。
出玉試験を回避するためにBT確率を1/10000にし、恩恵は3000枚!?とかにして、それ込みの割を公表するという詐欺まがいな詭弁も横行するかもしれません。
射幸性を上げるというところを出発点にしていることや、パチンコのラッキートリガーがそうであるように、BTありきに陥ってしまう可能性は現実に高いです。
以上です。
上記のことをトータルで考えると、僕はBTには悲観的です。
デキレが無い分、出玉試験をクリアできる秘策は思いつきにくく、法令に沿ったものしか作れない期間は続き、初動は確実に悪いでしょうから、店は導入を控え、メーカーの開発も滞る。これが既定路線のような気がしてなりません。
ただぁあ!!
BT中、次のボーナスが成立した際、目押しにより、ボーナス入賞を外し(ボーナスは消滅)、BTを延命させることで出玉性能を変える台が作れそう。
これなら出玉試験もやすやすクリアできそうだし、短期で一撃出玉も可能。
将来的には目押しも必要なくなり、一撃2000枚も射程圏的なトンデモ台ができるやも???
6号機時代を終わらせるのはスマスロでも上位ATでもなく、実はBTだった!なんてこの時に気づけた人は、まだいないっ!!
可能性は無限大。
今後の展開を震えて待て!!
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