次世代遊技機スマートパチンコとパチスロ

omou-eye
我思う

8月31日付け 第130回

今回は真面目なお話し。
去る7月19日、スマート遊技機の大々的なフォーラムが行われ、その模様が我々末端のユーザーにもyoutube動画として一般公開されました。
結論ありきの、さぞ偏ったイカサマフォームなのだろうとの色眼鏡で見ましたが、登壇者はメーカーの組合とホールの組合の代表者で、パネルディスカッションを含め、全体的に非常に前向きな説明会だったと感じました。また、それぞれの立場におけるメリットやデメリットが解説され、フェアで有意義だったとも思います。

詳しくはそちらを見ていただくとして、ここでは私が直感的に感じたスマート機とパチンコ産業の今後の見通しと問題点を書きたいと思います。
早い話しが感想文よ。
※スマートパチンコパチスロの概要は皆さんご存知だという前提の下書き進めていきます。

1,業界は3つに分かれる。

このフォーラムを見て、まず先に感じたこと、それはパチンコ業界には3つの「利害の対立する」勢力が存在することを理解する必要があることです。
一つはメーカー。
もう一つは大手ホールと新規参入を狙っている異業種の資本。
そして、最後に中小零細のホール。

スマート遊技機の今後を紐解く上で、この3つの立場の違いと、そこに起因する「動機」を理解しないと、話しの本質は全く見えてこないと思います。

まず、メーカーから見たスマート遊技機に対するスタンスについて。
これは単純です。
製造コスト、すなわち原価を落とし利益率を上げることが狙いです。
将来的に、スマートパチンコはプログラムだけを入れ替えることで、新台を供給する腹づもりでいるふしがあります。 「がわ」や盤面はそのままで、データだけ入れ替える、ネオリユースとも言うべき手法です。
今のパチンコはファミコンで例えると、新台を出すたびに、ファミコン本体とソフトをセットで制作し供給しています。
これをソフトだけ供給し、製造コストを抑える流れにしたいのだと思います。
ESGやら地球環境やらの文言を多用しつつ、「機械代の高騰」というもっともたる課題に言及してなかった点からも、ここが本質と見てよいでしょう。

パチンコは結局のところ、台枠や釘、すなわち物理的な筐体はどうでもよく、 核となるのはデータ、要するにスペックであり演出であることは、すでに「リゼロ」を見れば明らかです。
※パチンコリゼロは、前作「小当たりラッシュ版」が盛大にズッコケて、見た目も演出もほぼ変わらないスペック違いの「鬼がかかり」バージョンが大ヒットしました。

将来的にはゲームソフトを開発するメーカー(カプコンやスクエニ)のようなビジネスモデルを目指しているんだと思います。 今更、なっがい製造ラインやでっかい工場を自社で抱え、ベニヤに釘を打ち込む作業なんてバカらしくてやってられっか、的な考え。
当然、「新台」の受け渡しは、デジタルデータをUSBやダウンロードするだけの形になることでしょう。

また、それでいて、値段は現行水準を維持、1台あたり30~40万をデータだけで搾取する未来をゴールとしているはずです。
これ以上の機械代の高騰は無いにせよ、抱き合わせ等、メーカー主導の悪しき商慣習は無くなることもないとも思います。

早い話しが、先細る業界にありながら、現状の利益水準を確保するために、ボッタクリたいわけです。さらに言うなら、ここでもう一発、「特需」も作りたいのです。総入れ替えともなれば、いくらの金が動くことやら。P機バブルよ再びっ!!

次は大手チェーンと新規参入組のスタンスについて。
スマート遊技機は当然、導入コストがかかりますが、新規で店をオープンするとなると、その参入コストは大幅に削減されると言われています。
その理由は明確で、(1)玉やメダルを補給する島設備やジェットカウンターや洗浄機が必要無いこと(2)島設備がいらないので単位面積あたりの設置台数が増えること(=賃貸料の軽減) (3)パーソナル以上に人件費が削減させることが挙げられます。
これは既存店にも言えることで、今ある設備を更新する必要がありますが、長い目で見れば、「お得」です。
ただ、設備を一新するには無駄にコストがかかるわけですから、「体力」が無いとなかなか難しいでしょう。その点大手は有利です。

また、スマート機を導入するインセンティブの一つに、スペックの緩和があることも忘れてはいけません。 CR機導入の際に、導入コストの見返りに「確変」が認められたように、今回も大きめの「アメ(スペックの緩和)」が用意されています。
アメである「ハイスペック」を生かし、シェアを拡大(確保)しようと画策する法人は大手、異業種ともに一定数はいることでしょう。

ゆえに、コスト面をクリアできる体力のある法人にとって、また、新規参入を狙っている法人にとっても、スマート機への代替わりはチャンスと言えるでしょう。

最後に中小零細ホールのスタンスについて。
ここまでは、「肯定派」の腹の中を推測してきましたが、ここからは否定派の本音への言及です。

スマート機への移行は、弱小店にとっても長期的には確かに有益です。
しかし、コロナと出玉規制による深刻な客離れで弱った、目下の経営状況(体力)を考えると、設備の一新など夢物語。 投資に回す余裕など無く、延命が精一杯な現状を鑑みると、スマート遊技機は新たなる負担でしかありません。これが隠しようの無い現実です。

そんな中、スペックと遊戯性に優れるスマート機を導入した店舗が近隣にできたとなると、、、
勝負あり。

ゆえに、スマート機などと抜かすイカサマボッタ機は、自社に向かって降ってくる隕石のようなもので、廃業への引導を渡す侵略者です。
絶対反対!!
最低でも先送り!!
これが本音でしょう。

以上により、立場の違いによるスマート遊技機に対する理解はこれで深まったと思います。
次は業界全体に共通するパチンコパチスロの永続性についてです。

2,業界の永続性

コロナ、出玉規制に起因する客離れはすべてのメーカー、すべてのホール共通の悩みの種です。 ユーザー離れを止め、若い人を中心に新規の顧客を獲得することが喫緊かつ共通の課題です。
同時に、休眠ユーザーの「出戻り」を含めた新規顧客の獲得は、パチンコ産業を永続的なものにするため、必要不可欠だと言えます。
ボートに行った裏切者は殺せ~!!ピキーン!ドコドコドコ!!(?)

その切り札がスマート遊技機だと私は感じました。

まず、スマートパチンコは玉の補給が無くなるため、またスマートパチスロはホッパー(メダルの払い出し)が無くなるため、劇的に静かになります。
パチ屋の爆音は一方で非日常感を演出する役割もありますが、特に新規ユーザーにとってはどちらかというと不快なものでしょう。 古参ユーザーである私も極めて不快に感じています。耳栓必須。
これが無くなることで、パチンコに関するイメージは多少なりとも改善され、定着へのハードルは間違いなく下がります。
禁煙化が達成されたことと合わせ、これは大きな一歩だと思います。

次に、島配置の自由度が増すことにより、おしゃれな空間を演出しやすくなります。
補給や配線に縛られることがなくなり、また台そのものがスリム化することで、あの、だー--っと無機質に台が横並ぶ、クソダサいザパチ屋が、 スタイリッシュでナウな空間に生まれ変われる可能性があるのです。

これらを総合すると、パチ屋はカジノみたいな感じになるんじゃないかと思います。
新規参入組は間違いなく、小規模でダーツバーみたいな感じのジャップカジノとしてのビジネスモデルを想定しているはずです。

東京競馬場や大井競馬場が若者をターゲットとした空間づくりを意識しているように、パチ屋も若者や女性受けする空間への転換が急務です。
見るからに頭の悪そうな茶髪のウザガキやくっさいおっさん、連打婆が列を成す、底辺の賭場ではなく、クールでオシャレなハイソな空間へのモデルチェンジこそ正義。
これが実現すれば、将来的にはややダークな夜のデートスポットとして、若年層を取り込み、ファン層の拡大が叶うやもしれません。
また、それを可能にするポテンシャルがスマート遊技機にはあると思います。

3,スマート遊技機がもらたす近未来

まず、言えることは、中小零細ホールはスマート遊技機に対し、確実に乗り遅れることでしょう。金が無いんだからしょうがない。
これにより、旧来のホールは新たな顧客の獲得に失敗し、年配客の退場(死亡)によって顧客を失い、淘汰されることでしょう。
社会からは昭和の「負債」として煙たがられ、絶滅。
それと入れ替わるように、先見性のある異業種からの新規参入組が小規模ながらシェアを取ると思います。

では、大手はどうなるのか?

2つに分かれると思います。
経営者が前時代的な価値観に固執した老害であれば、スマート遊技機に対する投資は見送られることでしょう。 こういった法人は時代の波に取り残され、中小同様、衰退の道を歩み、近い将来、滅亡すると思います。
一方で、これをチャンスと取らえた先見性のある法人は、マカオやラスベガスのような大型カジノを彷彿とさせる遊技空間を模倣し、 パチンコとは別の新たな娯楽としての地位を先導することになるはずです。
その様はまさにジャパニーズカジノ。

利権調整にもたつくIRのカジノに先んじ、パチンコカジノが横滑り的に大成功を収めるのであった。
大阪涙目。吉村激怒。夢洲は不良債権化し、同時にスキャンダルも出て、維新の政治生命もお、し、ま、い、death!(?)

度重なる政治とカネの問題、広がる格差、分断される社会。
そんな中、共産党は9条改正を認め、表向き対米従属へと現実路線に舵を切ることで、民衆の支持を集め、無血による共産革命を成し遂げるのであった。
資本社会主義という謎の新語が生み出され、エマニュエル・トッドの「資本主義の衝突」と題した著書がベストセラーになったことは言うまでも無い。

中国主導のアジア、それに秘密裡ながら露骨に加わる日本。
韓国はその様子を見て、左派が色めき立つも、獄中死したムンジェインの後を継ぐ者はおらず、内部分裂。 国家はカオスとなり、ほどなく、38度線を超えた国籍不明の解放軍が造作もなくソウルを落とし、プサンに逃げた臨時政府は早々に日本に併合を求め、 ここに大韓帝国は地図からも歴史からもその姿を消したのだった。

というシナリオが容易に想像できます。
現状パチンコと資本主義はオワコンです。もやは延命も難しい。

ここで構造を変えねば、後は細々と死を待つのみ。

エスパーハウスの結論

スマート遊技機はパチンコとアジアの未来を変える、革命的なシステムです。
早期の導入、投資は絶対に必要です。

また、業界としてもこの際に「膿」を出し切って、脱税、悪しき商慣習等に終止符を打って、健全な娯楽産業として、その社会的地位を盤石にすべきだと思います。

コメント

  1. とうもろこし より:

    お初です。
    とても参考になる記事でした。
    延期に延期を重ねてようやく今年の1月にCR機が完全撤去されたのに、もうスマパチ導入とは。。
    P機完全移行の際も小さなホールには大きな痛手だったはず。
    P機なんて挟まずにスマパチに移行してれば良かったのにってのが素人の考えです(笑

    これを機にパチンコ業界の歴史を軽く調べてみましたが、昔から現在まで終始バタついている印象を受けました。(内規コロコロ変えすぎw)
    業界のトップクラスに頭の回る若者がいれば、もっと良い現在になっていた気がしますね。

    これからのパチンコ業界に幸あれ!

    • esperhouseesperhouse より:

      どうも明智左馬助です。

      スマート機。話しが出たのは「封入式」も含めると10年近く前だったはず。
      遅かった。というのは僕も全く同意見です。
      ただ、店に体力が残っているときに移行していれば、、、と思う反面、ここに来て急に実現へと動いた背景には、業界の焦り(特にメーカーの)があったからではないかと思います。
      メーカーもパチ屋同様追い詰められており、隠し玉を持って来なければどうにもならなかったんじゃないでしょうか。

      結局、この業界はグレーなので、K察のさじ加減一つでどうとでもころがるんでしょう。特に課長?が誰になるかで大違い。
      官僚機構と渡り合える指導者と政治家が必要です。
      サミーの2代目は例のシンポジウムを見る限り、割と賢そうなので、期待できそうですが、、、果たして。